何年かぶりに植松努さんのTEDでのスピーチを視聴しました。民間のロケット開発者として有名な植松氏なので、彼のことを知っている方、講演を聞かれたことのある方は多いかもしれません。
心に響くスピーチ
前にも聴いたことがあるはずなのに、衝撃を受けました。涙がでました。あまりにも心を深く揺さぶられたので、二日で5回も繰り返して視聴しました。
今私は、必要があって自分自身の子どもの頃の振り返りをしているのですが、植松さんのお話はそこと深く関係していたので、より心に響いたのかもしれません。
スピーチの内容は、ぜひとも植松さんの声で聞いて頂きたいと思うので詳しくは書きませんが、「思いは招くーだったらこうしてみたら?で夢はかなう」という題名からわかる通り、子どもの持つ夢を後押しする大人と、それをつぶす大人のことが語られています。
夢をつぶす人
まっさらで何からも影響されていない小さな子どもは、自分の好きなこと、心地よいことしかしません。しかし成長するにつれて「好きなことだけしていてはいけない」という世界に放りこまれ、好きでないことをする理由を自分に言い聞かせるようになっていきます。
自分の愛している人が「夢をつぶす人」だったとき、子どもはその愛する人の言葉を受け入れます。植松氏は「夢とは今できないことを追いかけること」と定義していますが、夢をつぶす大人の言葉によって、子どもは夢をもつことをあきらめてしまうのです。
植松氏のスピーチを聞いて涙してしまう私は、夢をつぶす大人に出会ってきたのだと思います。そして自分自身も、わが子にそれをしなかったとは言い切れない大人になっていたことを悔やみます。
「どーせ無理」という呪いの言葉
植松氏が子どもの頃に彼の夢をつぶそうとした大人(教師)がよく言っていた言葉は「どーせ無理」だったそうです。それは「人間の自信と可能性を奪ってしまう最悪の言葉です」と彼は言います。
しかし、人間は自信を失って生きて行くことはできないので、お金で自信を買うようになったり、人を見下すことで自分を上げたり、更には他人の自信を奪うことで自分を保ったりするそうです。この自信をなくした人たちのあきらめが、いじめや暴力、児童虐待、果ては戦争まで起こすのではないかと植松氏は語っています。
もうすぐ最終回を迎える今季のドラマ「最高の教師」でも、それと近いことを考えさせられました。非行に走ったり、いじめをする子どもたちの心の奥にあるのが、この「どーせ無理」という言葉、本当に自分がそうありたい姿でいられないことへのあきらめ、自分では気づいていない悲しみだったような気がするのです。
「思いは招く」・・だれでも夢をかなえることができる
「思いは招く」・・自分が望むことを望み続けたらそれはかなうのだとしたら、大人になった私たちでも夢を見ることはきっと可能です。「だったらこうしてみたら?」と言ってくれる人がいないならば、大人は自分で自分にそれを言ってあげればよいのです。
民間人がロケット開発をしてしまうという素晴らしい夢の実現者である植松氏。今では年間1万人を超える修学旅行生が、彼の会社を訪れるそうです。お子さんを育てている方、子どもの頃の自分自身の夢をこれから実現したいと思う方、どうぞ植松氏の魂の叫びのような名スピーチを聴いていただけたらと願っています。
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